今回のスペシャルコラムはご専門であるホウ酸についてのQ&A!
ホウ酸塩施工による防腐防儀処理についてわかりやすく
Q&A形式にしました。(その①:Q1-12)
Q1. ホウ酸塩とは
A1. ホウ酸塩とは天然自然素材です。米国カリフォルニア州、メキシコ、トルコなど
から産出されます。残念ながら日本には鳥取砂漠や東京砂漠があっても鉱脈が無く、
原材料を産出国から輸入しています。
Q2. ホウ酸塩の使用方法は?
A2. ホウ酸塩は自然界の何処にでも存在します。土壌中や海水、淡水にも含まれます。
ホウ素は植物に取っては必須元素であり、世界中で年間6万トンのホウ酸塩が肥料に
使われています。人間も、水や食事から微量を取得しており、新陳代謝や骨や脳の
機能健全化にも役立っています。
Q3. 洗濯洗剤に入っているって本当ですか?
Q4. キャビアに入っているって本当ですか?
Q5. 目薬にも使われていたって本当ですか?
Q6. 原発事故処理に使われているのですか?
Q7. 温泉にもホウ素が入っているのですか?
Q8. ホウ素はガン治療に使われるのですか?
Q9. 難燃剤にもホウ酸が使われるのですか?
Q10. ストラディバリの製造の秘密がホウ酸?
A3-10. 全て本当です
アメリカではBORAXと言えば、洗濯洗剤の代名詞です。
同社ロゴではホウ酸を馬が20頭で曳いている様子が画かれてます。
本物のキャビアの保存料には今でも使用されています。
日本でもかつては食品保存に使われていました。
かつては、目を洗うのにホウ酸塩の水溶液が使われていたのは
ご年配の方ならお詳しいかも知れません。今でも、ものもらいに
特効薬としてお使いの方もいます(あくまで自己責任で御注意を)
原子力発電所の事故処理にも核分裂を抑止する目的でホウ酸水が
大量に使用されています。(家は爆発しませんが。。)
温泉にはホウ酸が含まれており河川にも年間数万トンレベルで
放流されています。
ホウ素は安全でガン治療時の中性子線を吸収する役割を持つので、
ガン治療にも活かされています。
セルロースファイバーや羊毛断熱材などの自然素材系断熱材には
難燃剤としての目的でも15〜20%程度ホウ酸が混入されています。
名器ストラディバリウスの製造の秘密をナジバリー教授は発見し、
現在自らヴァイオリン制作販売もしています。
Q11. なぜ防腐防蟻に効くのですか?
A.11. シロアリに限らず腎臓の無い昆虫類一切はホウ素を体内で
処理出来ずに代謝がストップし死滅します。
(そもそもシロアリはアリでなくゴキブリの仲間です。)
昆虫類の中ではイエシロアリがホウ酸に対して、最強ですが
十分な濃度でホウ酸塩処理を行う事で、地下シロアリ対策
(イエシロアリ・ヤマトシロアリ)飛来するシロアリ対策
(アメリカカンザイシロアリ)の両方に効果を発揮します。
キクイムシやノミも昆虫類です。ダニシラズという商品の
主成分もホウ酸のようです。
シックハウス症候群やアトピー症でお困りの方には最適です。
また、腐朽菌にも効果がありますので北欧など白蟻のいない
エリアでも世界的に木材にホウ酸処理が使用されています。
防腐だけでなく防カビ効果もあります。ドイツの自然派塗料
メーカーAURO社の防カビ剤の主成分はホウ酸塩です。
(国産製品には主に次亜塩酸がカビ除去の目的で使われます。)
Q12. これまでなぜ日本では使われていなかったのですか?
A12. 日本の防腐防蟻の歴史は、新築予防が主眼とは言えず、
駆除がメインだったと言えるかもしれません。
実際、今も防腐防蟻剤として農薬由来のものが使われますが、
これは国際的には極めてイレギュラーです。
アメリカやオーストラリアなどシロアリ被害に苦しむ国の多くが
既にホウ酸塩に全面的に切り替えています。
ハワイ州では新築時に全構造体への防蟻処理が法制化されており、
事実上現在ホウ酸処理一択ですが、その後被害が無いとの事です。
日本では2012年3月にホウ酸が初めて長期優良住宅に対応可能との
認定を受けました。(余談ですが、ホウ酸が認定を受けるのにも
かなりの苦労があったとの事です。。。)
現在も、ネオニコチノイド農薬の基準緩和の噂が出ていますが、
EU他諸外国が使用禁止に動く中、日本だけが薬剤メーカー寄りに
動くのは、国民の健康と安全を守るのに由々しき問題だと思います。
世界中でミツバチのコロニーが無くなり、人体にも発達障害など
脳神経系への影響が警告されています。
(ちなみに、ホウ酸は既築住宅や駆除にも使用出来ます。念の為。)