高性能住宅のご意見番=アマノさんのコラム、基礎断熱・床断熱の施工についてです!
今日は大事なことをこそっと書こうと思います。
こそっとというのは世間一般的に、業界的に差し出がましいからです。
テーマは床断熱と基礎断熱及びそれぞれの施工についてです。
多分これ聞いただけで業界外の普通の方は興味薄いと思います。
まず私の好みから書きます。
なお、基礎断熱は基礎外か基礎内かはいったん問わないこととします。
良い施工の基礎断熱 ≧ 良い施工の床断熱 >…な床断熱 > …な基礎断熱劣化対策上、リスクの低い順と考えて頂いて結構です。
ああ、もう余計なこと言っちゃってる感満載ですが、気にせず続けます。
まず温熱面、具体的に気密不備、断熱欠損と木熱橋のリスクから基礎断熱が床断熱より通常有利です(逆に施工が良ければ防蟻上は床断熱有利ですが)
基礎断熱のほうが一般に体感的に床が暖かいと言われるのは多分それです。
ただ、今回は施工の話に軸足を置きます。
では何を持って施工が良いか悪いかですが、これは劣化対策屋の観点から雨対策、雨養生ができているかどうかです。
これ別にホウ酸屋だから都合だけで必ずしも言ってるわけではありません。
どの防蟻剤であれ、或いは無垢であれ、程度の差はあれ同じことです。
特に、施工の拙い基礎断熱は、水抜き穴もないので水も抜けにくいです。
床断熱なら、多少の水は抜けますし、基礎パッキンなりで通気もします。
結露やカビのリスクは雨養生だけではなく、先行床かどうかも関係します。

先行床というのは剛床工法の際に、一階床合板を土台敷きのタイミングで先に貼る工程段取りを言います。
これは現場的には歩きやすいし物も置けますし特に大工さん的には非常に合理的です。狭い現場なら尚更。然しながら雨対策をかなり困難とします。
土台敷きから建て方までの間の雨が防ぎにくいからです。
養生シートのようなものも100%万全とはいえません。
土台ホゾ穴から水が回ったりすることがあります。
木造軸組ではなく、ツーバイフォーですと先行床がマストとなりますので当社のお客様でも、例えば藤和ホームさんなどではもう鉄壁の雨対策です。
ブルーシートは勿論ですが、中央から外側に傾斜をつけ水も溜まりません。
理想を言いますと、(これは私だけでなく複数のクライアントさんからのヒアリング見解も同様ですが)床合板は可能な限り後から貼るほうが良い。
これは多分、劣化対策上で言えば間違いありません。
防蟻屋が黙っとれという野次が聞こえてきそうですが、全ては住まい手の為本音をこそっと書きました。棟梁ごめんなさん。でもこれも事実ですから。
ちなみに先行床ですとボロンdeガードは1工程増えますので単価UPします...
逆に言えば先行床でない方が劣化対策上の施工リスクも低く安価になります。
ただ元より強制はできません。大工さんの歩き易さや安全性も勿論大事です。
因みに図面上では先行床かどうかとかは通常そこまで記載ありませんから、
工務店さん監督さん、現場の棟梁大工さんの判断でこのあたりは決まります。
防蟻屋が口を挟むような領域では通常無いのです。が、承知の上書きました。
全ては住まい手のためがいつも免罪符になるとは思いませんが、すみません。